Q&A: 子供のピアノ上達に、ピアノの先生が保護者に求める最適なフォローとは?

ピアノを習っているお子さんやそのご父母、そして大人のピアノ学習者の方には、ピアノ・レッスンやピアノ教室に対して疑問や悩みが少なからずあります。当サイト登録のピアノ教室運営者、ピアノ講師が、その疑問、悩みに答えてくれます。

18年9月







Q: 子供のピアノを上達させるため、ピアノの先生が保護者に求める最適なフォローとは?



お子さんのピアノレッスンの場合、自宅学習が上達のキーになるとも言われます。しかし、必ずしもいつも前向きに取り組むとは限りません。また、保護者のフォローの仕方も、より積極的に関わることもできれば、その反対に過度な干渉は避け、見守ることもできます。お父さん、お母さんは、いったいどのように子供に接して、自宅でフォローをすればよいでしょうか。

子供のピアノを上達させるため、ピアノの先生方がもっともふさわしいと思う家庭でのフォローについて、ご自身のお考えを具体的に教えてください。またその理由についてもお聞かせください。



A:ピアノの先生の回答  (先生のそれぞれの立場とタイプから回答)

フクロウ・タイプ
(学問的、または知恵ある意見を述べたい先生の立場からの意見)
ウサギ・タイプ
(楽しい雰囲気を大切にする先生からの意見)
ネコ・タイプ
(独自の意見を言いたい先生の立場からの意見)

ウシ・タイプ
(目標に向かって地道な努力が大切と考える先生の立場からの意見)
犬・タイプ
(真面目で親しみやすい先生からの意見)
クマ・タイプ
母性的、甘えさせてくれそうな先生の立場からの意見
シマウマ・タイプ
(優雅さと優美さをもって指導したいと考える先生の意見)
キリン・タイプ
のんびりした先生からの意見
馬・タイプ
活動的で、パワーを与えてくれそうな先生からの意見
羊・タイプ
平和的でおとなしめの先生の意見
ライオン・タイプ
権威的、きびしい先生の立場からの意見
  その他・タイプ (その他の考え方とタイプの先生)







フクロウ・タイプ

(学問的、または知恵ある意見を述べたい先生の立場からの意見



宿題の出し方が長年わからず悩んでいました。
最近ペース・メソッドというピアノ教育法の導入編、3,4歳『幼児用おんがくをはじめよう』の教師用ガイドブック:音楽之友社編を紐解いています。ここには指導の仕方が48ページすべてに解説されています。
1ページごとの概念、指導の要点から始まりどのようにこのページを進めるか具体的な実践法が盛り込まれています。

最後に両親へのお願いが書かれています。それに従って指導者は臆することなくやってほしいことなどを発信すれば良いのです。
自信をもってこまめに行うことが今後の課題です。


ペース・メソッド研究会コンサルタント  廣岡文子




まず第一に、親御さんがなまじピアノの経験があるからと、お子様がミスした時も、口出しを一切しないことです。
先生に対して失礼でもあり、更にお子様が練習を嫌がるようになること必至ですし、最悪の場合ピアノのレッスンを辞めたいと言い出しかねません。
親御さんとお子様で相談して、無理のない練習時間を決められたらいかがでしょうか。

例えば初歩の場合、レッスンの無い日は学校から帰ってすぐ15~20分練習してから遊ぶ。更に夕食前に同様に練習する。
その際、親御さんはお子様が約束通り練習しているかだけを、確認する。
レッスンの有る日は、学校から帰ってすぐに練習し、レッスンが終わったら帰ってすぐに練習する(レッスン内容を忘れないため)
そして夕食前に練習する。

大切なことは、初歩の場合15~20分練習時間が最適であることです。
ダラダラと長い時間練習しても、集中力に欠けるだけでマイナスになるだけです。
はっきり申し上げると、年齢にも依りますが低学年のお子様の集中力はせいぜい10分~15分しか持続しません。
従いまして長くても20分の練習時間が限度です。

私の教室のレッスン時間は30分ですが、残った時間には絶対音感の訓練に充てています。
レッスンを始めてから6ヶ月くらいから始めますが、全員約2ヶ月で絶対音感が身に付きます。ただし単音のみです。和音は1年~1年半後から訓練します。

絶対音感が身に付くと、ピアノの練習の励みにもなり、上達も速くなること必至です。

藤田音楽教室(藤田将利)




こんにちは!埼玉県のウィステリア・ピアノクラスです。

子供さんの上達にご家庭の協力が必要であることは、言うまでもありませんね。私の教室では、親御様に対しては、次のようなガイドラインに従ってご協力を頂いております。

1.子供さんに、親としての責任を示す。
2.ピアノの時間を、楽しくワクワクとしたものにする。
3.練習時間の確保に協力する。
4.レッスン内容に無関心でないこと。
5.一貫性や集中力がつく工夫をする。
6.褒める。


1.については、ただ単に、「練習しなさい。」という言葉を発することは控えて頂いています。必要があれば、子供さんと一緒にピアノの前に座るなどして、親子のコミュニケーションのもとに、ピアノと接して頂くことが好ましいと考えます。

2.については、ピアノを「つまらない物」という存在にしないことです。「ピアノを弾く」という行為が、どんなに楽しく、興奮に満ちたものかという認識を親御さんが持つことによって、子どもさんは自ずから、ピアノを重要で身近なものとして意識するようになります。

3.については、気まぐれにピアノを弾くのではなく、毎日の生活の中で、「ピアノの時間」を作って頂くようご協力をお願いしています。

4.については、子どもさんの年齢によるので、一概には言えません。しかし、低年齢の生徒さんに関しましては、親御さんと一緒に弾くことなどで、モチベーションが上がるケースが多いです。

5.については、ピアノを弾くことに気が乗らないということは、誰にでもあります。そのときは、練習を強要することより、音楽を一緒に聞くことや、歌うことなどで、常に音楽に集中する時間を作る方が効果的です。単に、ピアノの前に座っている時間や、無味乾燥な反復回数をカウントすることによって、子どもさんの練習価値を判断することがないようご協力頂いています。

6.については、「褒めること」に熱心になって下さい。ご友人やご親戚に、子供さんがピアノを習っていることを、積極的に話して下さい。そして、それらの方々の前で演奏する機会を作ってあげて下さい。自分の演奏が、人を喜ばせていることを知った子供さんは、自己を正しい意味で、高く評価することが出来るようになり、人格的にも成長しますから、練習に対してやがて、自分で責任を持つようになります。


音楽は天からの贈り物の中で、最も素晴らしいものだと思います。

全ての方にピアノを楽しんで欲しいという気持は、私たち教師が持つ共通した願いです。

しかしながら、レッスンを開始してから、少しずつハードルを上げて行かないことには、技術は向上しません。

そしてまた、レベルが上がってから得られる喜びは、練習の苦労を忘れさせてくれるほど大きいものです。

「子供さん方が楽しく練習している」というお話を聞くたびに、親御さんのご協力に頭が下がる思いがいたします。

生徒さん全員のご発展を心より願って止みません。

ウィステリア・ピアノクラス






ウサギ・タイプ

(楽しい雰囲気を大切にする先生からの意見)




ピアノ教師にとって、生徒さんのご家庭でのフォローはとても大きな事柄です。しかしその“フォロー”の内容は多岐にわたって考えられる上、各生徒さんの個性やピアノを習う目的によって違うものになってきます。ですからここでは、ピアノを習う生徒さんのご家庭に「お願いしたいこと」を3つ書かせて頂きます。

1、できないところを指摘するよりは、できたところをうんとほめて差し上げて下さい。

お子様は、親御さんにほめられるのが大好きです。そしてそのほめ言葉はお子様の自信につながります。「ほめ過ぎ」を心配するより、「ほめなさ過ぎ」を心配した方が、お子様のやる気を引き出すことができると思います。

2、比べないで差しあげて下さい。

まわりのお子様の進度などが気になるのは当然のことですが、お子様にはそれぞれのペースや得手不得手があるので、どうぞまわりのお子様と比較なさらないようにして差し上げて下さい。


3、音楽のすばらしさを伝えて差しあげてください。

「音楽のすばらしさを伝える」ために私がおすすめすることは、名演奏家のよい演奏を、「それとなく」お子様にお聴かせすることです。ただ音楽を「流して」いるだけでも、お子様は無意識の中でその音楽を聴いているものです。強制的にお聴かせするのではなく、それとなくお聴かせすると、とても効果的だと思います。


以上、私がピアノを習う生徒さんのご家庭に「お願いしたいこと=フォロー」を3点書かせて頂きました。参考にして頂ければ幸いです。


オンラインピアノレッスントモピアノ教室

 


 




ネコ・タイプ

(独自の意見を言いたい先生の立場からの意見)





 


ウシ・タイプ

(目標に向かって地道な努力が大切と考える先生の立場からの意見)




家庭環境や親御さんの考えを尊重しながら
日頃からピアノを続けやすい提案を行っています。


 





犬・タイプ

(真面目で親しみやすい先生からの意見)


先ず、してはいけない事から。
1.無理やり、ピアノを練習しなさいと言わない事。
2.前より、弾けるようになったねと言って励ます。
3.好きな曲から練習を始める。嫌いな曲は、なるべく避ける。
4.つまらない練習曲は、やらないで、タイトルのついた曲を弾いて、イメージを膨らましてあげる。
5.親も先生も、子どもの気分、やる気、表情を見ながら一緒にやって行くつもりで楽しくやる。
5.上達するのは、結果であって、上達する事を目的にすると、音楽が楽しめなくなることもあるかもしれません。




私がご家庭の協力で一番ありがたいのは、小学入学前まで、毎回のレッスンにお父様かお母様、又はお祖父母様が参観の
形で参加してか下さる事です。

その生徒さんの頑張っているところをレッスン室で見学して実感して下されば、ご家庭でも励ましやすいでしょう。
また、是非ご家庭でトレーニングして頂きたい事も、具体的にレッスン時間の中で確実にお家の方に伝えられます。

ご家庭で取り組んで頂きたい事は、生徒さんそれぞれによって異なりますし、レッスン回数を重ねるにつれ、変化していきます。レッスンに参観下さる場合は、お家の方に具体的に「◯◯をして下さい。」とお願いできます。
例えば、「この曲を1日おきに3回、一緒に歌いながら弾きましょう。」とか、「◯◯ページまでの練習問題に取り組みましょう」とか、「音符カードの読み上げ10枚、めくるのをしてあげて下さい。」などです。

レッスンに参観できないご家庭では、お子さんが練習する横で黙ってニコニコと聴いてて下さるのが一番助かります。
10分間横で「◯◯ちゃんの練習するのを聴きたいわ。」
と言って、どんなにたどたどしい演奏でも「むずかしいのを頑張ってるのねー。」と感心して下さると助かります!
とお伝えしています。

毎日10分ニコニコして聴くだけです。家事をしながらではなく、ピアノの横に座ってどんな演奏でも、たどたどしさでも
受け入れて聴いて下さると、日々少しずつ上達していく現場を目の当たりにできる事でしょう。


春海音楽教室

 




ピアノは1週間に1回30分間レッスンするからといって弾けるようになるわけではないので、なるべく毎日練習することが大事です。
ただ、小さい子どもは宿題を出しても自分から進んで取り組まないと思うので、習い始めの幼児の場合は「この曲を宿題にしておきますね」と言って次のレッスンまでに練習させるようにしておきます。

もう一つは、生徒には常にメトロノームを使用するように言っているのですが、面倒くさがる生徒が多いので、「すらすら弾けるようになったらメトロノームを使って練習させるようにしてくださいね」と言って練習のときにお母さんが生徒を気にかけてくれるように一言言っておくと、次のレッスンがスムーズにいくのでとても助かります。

 




レッスンで指導したか、特に注意した箇所を保護者の方にも共有してもらう事です。お子様の苦手な事も把握してもらうと良いと思います。




多くの子供たちがまず「練習が好き」という子はいません。
しかし、練習をしないと弾けるようにならず、結局できないのでつまらない⇒退会となってしまうのは残念ですね。

保護者の方がピアノ経験者かどうかにかかわらず、まず入会後に最初にお願いしているのが

「ピアノの蓋をいつもあけておき、いつでも弾けるように」

「ピアノ弾いたかな?と声をかける」

の2つです。

ピアノ経験者の方であれば、ご自分もピアノを楽しんでいる様子を見せるのも良いかと思いますし、ピアノを習ったことがない方はお子さんに

「ママ(パパ)に教えて」

と、先生役になってもらうのもいいと思います。

それ以外に、こんなことをお願いするといいかなと思うことも書いてみます。それは、ピアノを含めた「生演奏」を聴きに行くことを生活にプラスしていただきたいということです。

こどもたちは漠然とピアノが弾けるといいなと思っていても、具体的な目標がないとなかなか動けません、しかし、曲を知らない。ご家庭でも音楽を聴く習慣がないとか、聴いてもクラシックは聞いたことがないなどで、曲を知らない方が多いです。
生演奏を聴く機会というのはもっと少ないですが、演奏者の実際に演奏している姿を見ることは大きなモチベーションにつながります。

よりよい表現につなげるには、どんな音がよいのか、どんな表現がふさわしいかを知ることが大事だと考えています。

ぴあのすく~るSan's  中塚 三貴子


 



クマ・タイプ

(母性的、甘えさせてくれそうな先生の立場からの意見)






 


シマウマ・タイプ

(優雅さと優美さをもって指導したいと考える先生の意見)


小学校低学年までは できれば教室でレッスンを見ていただいて 今何を中心に練習しているのか 知っていて欲しいと思いますが、1番 気をつけて欲しいのは お子さんを否定しない事
だと思います。
「先生 うちの子 全く練習しないんです。」 と仰る お母さんの多いこと。
先生の前で 言わば「練習しない子」っていう レッテルを貼られては お子さんの やる気も萎えてしまいます。
出来るようになった事や 今やっている課題に興味を示して あげて欲しいと思います。
「今 弾いている曲 楽しい曲だね」
とか
「左手も カッコよく弾けるように
なったね」とか
あるいは 一緒にCDを聴いたり コンサートに行ったり
お子さんと一緒に 音楽を楽しむ機会を設けるのも
いいかと思います。

ピアノ教室 アンダンテ




保護者の方へ求めるフォローは、まず声かけをしていただきたいということです。

小さいお子様の場合、自分から進んで練習することは難しいので、保護者さまの声かけが必要です。口を出しすぎるのもよくありませんが、前回のレッスンで先生から直されたところができているかチェックしていただければなおありがたいです。
お母様のあたたかく見守る気持ちがあると、子供達は自然と音楽が好きになってくれるようです。







キリン・タイプ

(のんびりした先生からの意見)


ご自宅での練習は大切ですので、
まずは習慣づけでお勧めしたいのは、
朝練です!
学校へ出掛ける前に顔を洗ったり歯磨きするのと同じように、ピアノに向かう事を当たり前と思えること。5分で良いです。譜読みならワンフレーズとか、通し弾きなら短い曲1回とか、5分も取らなくても良いです。

そして日中、遊びの合間には、
「○○ちゃんのピアノ聞きたいなぁ!」
という声かけです。1日のうち何度でも!です。
その上で練習時間が取れるときには、先生がレッスンでどこをどのように練習したら良いと言っていたかを聞き取って付き合ってあげてください。
お家の方がピアノ経験の有無を気負わないで大丈夫です。
むしろ教えないでください。それはピアノの先生の仕事です。
少し習った経験のあるお母様が、子供の頃の記憶をたどって熱心に自宅練習させて お母様流に指使いを覚えてしまって、後から直すのが大変という空回りなケースもあります。

お家の方にお手伝いいただきたいのは、ピアノに向かう機会を促すこと。できれば時間と回数が増えるように。
その習慣がついたなら、次は内容の濃い練習が段々できるような声かけをすること。「レッスンではどこをの部分を沢山やったの?」先生がお手本を弾いてくれたなら「どんな風に弾いていた?どんな感じがした?」など。

ピアノとうた・ソルフェージュ







馬・タイプ

(活動的で、パワーを与えてくれそうな先生からの意見)



課題については必ずレッスン中に練習して、気をつける事や課題となる事を伝えます。
レッスンノートにその内容を記載し、保護者の方にも理解して頂き声掛けして頂く様にしています。
保護者の方に望むフォローとしては、お伝えした課題を中心に会話を持って下さる事と、練習するキッカケ(タイミング)を与えてあげて下さればと思います。






羊・タイプ

(平和的でおとなしめの先生の意見)




ライオン・タイプ

( 権威的、きびしい先生の立場からの意見)





その他・タイプ (その他の考え方とタイプの先生)