良いピアノ教室を選ぶ基準とは?

ここでは、良いピアノ教室(講師)を選ぶためにポイントとなる点をいくつかあげて、解説します
選ぶポイントとしては、6つあります。これらを総合的に判断して決めるのがよいでしょう。

・技術力と経験
・価格
・サービス力
・合目的性
・ピアノへの愛情
・評価

それぞれについて、説明します。


  • 技術力と経験
    ピアノ講師は、音楽大学、ヤマハ・カワイの講師資格制度、個人教師への師事などによって、ピアノ演奏技術を身につけます。その後は、演奏会等で演奏の経験を積み、また楽器店や個人教室等で指導の経験をつみます。
    それぞれのピアノ講師が、いったいどういった経歴をもち、どんな内容の仕事をしてきたのか、その中でそのピアノ講師の持ち味や特徴は何か、チェックしてみてください。じっくりさがせば、きっと自分の感覚にフィットする何かが、見つかりますよ。

  • 価格
    ピアノ教室によっては、同じサービスでも、5,000円以上料金が違ってくることもあります。月4回30分のレッスンで、1ヵ月5,000円のところもあれば、10,000円のところもあります。

    料金をよく比較して、妥当とおもえる値段を選択しましょう。同じ指導時間・指導内容なのに、なぜこんなに料金が違うのだろうと不思議におもうこともあるかもしれません。一般的に、施設費(教室環境やどんなピアノをつかっているか)に違いがあったり、また、ピアノ講師が大学などの専門職を得ているか、ピアノ講師の出身大学や師事した師匠などの違いよることが多いです。
    それから、料金が高いから良いピアノ教室(ピアノ講師)で、安いから悪いピアノ教室ということも、一概にいえません。料金だけで判断せず、サービス内容、他の評価ポイントも考慮することが重要です。

  • サービス力
    まず基本的なことですが、笑顔で、親切に、気持ちのよい対応をしてくれるか、ですね。こういった対応をされるだけで、ずいぶん印象が違ってくるものです。
    それから、ピアノレッスンを頼むお客様の意向を尊重し、最大限、その希望に応えようとするピアノ教室(講師)は、優れたサービス力をもっているといえます。ピアノ講師は、技術だけが売りではありません。お客様の満足するサービスをとことん追及するのが、やはりプロのピアノ教室(講師)といえます。

    大切なのは、コミュニケーションをきちんととろうという意思があること。ピアノ教室に通う目的は何か、お母さんはピアノ教室に通わせることで子供にどうなってほしいのか、いままでの教室で不満だったことは何だったか等、受講希望者の話をよく聞いてくれて、それに常に応えようと努力をしているのかが、チェックポイントです。

  • 合目的性
    あなたがピアノ教室(講師)に望むことを1つだけいいなさいといわれたら、それは何ですか?欲張らずに、1つだけ答えてください。
    とにかく厳しくてもいいからピアノのテクニック向上ですか?それとも、コンクールでの入賞?そうではなく、ピアノを楽しみながら学ばせてくれることですか?または、子供に、習い事の中で継続的に学ぶ態度を身につけさせてくれること?
    良いピアノ教室(講師)かどうかの判断は、受講者やその親がもっとも望んでいる目的を果たしてくれるかどうかで、なされることが多いのです。ですから、もしあなたの目的があいまいなままピアノ教室(講師)を選んでしまった場合、もともと、あなた自身の評価の基準があいまいですから、でてくる評価がおもいつきで気分しだいの不平不満になりがちです。それは、ピアノ教室(講師)にとっても、とても迷惑な話になってしまいます。
    もしあなたが、ピアノを自由自在に操るテクニックを、ほんとうに身につけたいとおもうのなら・・・ 楽しみながらピアノを弾くことを目的にしているピアノ教室(講師)へ行くことは、目的にかなっているとはいえないかもしれません。ふつう、しっかりしたピアノのテクニックを身につけるためには、厳しいトレーニングとそれを継続する忍耐が必要です。ですから、どうしても緊張度が高いレッスンにならざるを得ないのです。

    もちろん中には、あなたの望みをすべて満たしてくれるピアノ教室(講師)が、あるかもしれません。しかし、現実はそうならないことのほうが、多いのです。そしてそれは、ピアノのレッスンを途中で挫折してしまう大きな原因の1つにもなっています。
    つまり、受講者の第一番の目的が明確ではないため、ピアノ教室(講師)との間にミスマッチが起こるのです。
    こういった余計なストレスをかかえないためにも、あなた自身、まずピアノを習う目的をしっかりみすえておく必要があります。そして、そのいちばん大切な目的をかなえてくれそうなピアノ教室(講師)かどうかを、判断基準の1つにしてください。

  • ピアノへの愛情
    ピアノ教室(講師)が、どれくらいピアノやピアノ音楽に愛情をもっているかも、とても重要なポイントです。
    ピアノに愛情をもっていれば、演奏はもちろん、たくさんのピアノ音楽を聴いているはずですし、常になんらかの形でピアノにふれる時間をつくっているものです。そういう気持ちは、レッスンの際、受講者に、見えないところでいい影響を与えます。ピアノに愛着をもっていれば、技術を超えて、感性のレベルで受講者には伝わってくるのです。そして、そういうピアノ講師は、ピアノの楽しさを、なんとか受講者に伝えられないかと常に努力し、試行錯誤しているものです。好きで楽しみたいとおもってピアノをはじめた受講者には、特にこの点が重要です。
    また、そのようなピアノ教室(講師)は、ピアノ音楽についての知識と話題も豊富なはずです。そういったお話で盛り上がるひと時も、ピアノレッスンをより豊かに楽しくさせてくれます。
    これらの愛情を感じさせる言葉や表現が、プロフィールから感じられるかどうか、チェックしてみましょう。

  • 評価
    他の方がピアノ教室(講師)につけた評価も、チェックしておきましょう。評価欄には、レッスンをうけた受講者の満足度があらわれます。多くの評価を参照することで、より客観的に、そのピアノ教室(講師)を判断することができます。
    また、評価には、そのピアノ講師の人柄や人間性に対する評価も含まれています。前もって、よい感じの教室(講師)だとわかっていれば、安心してピアノレッスンを頼むことができますよね。

理想のピアノ教室(講師)に出会うために

「どうすれば、理想のピアノ教室(講師)に出会えますか?」
と、もし聞かれたら・・・

「それは、めぐりあい。」と、究極的にはいえるかもしれません。


最高のピアノレッスンだと感じるのは、あくまでもピアノを弾く人、つまり、ピアノレッスンを頼んだ方の主観です。 ですから、Aさんにとっては最高のピアノ教室(講師)だとおもえても、Bさんにとってはそうだと感じない場合も、あるわけです。

子供のころ、学校の先生の好き嫌いで、英語が好きになったり、国語が好きになったりした、そんな経験はありませんでしたか?ジョークばっかりとばして、いつもニコニコして、とにかく楽しい雰囲気の先生だったから、英語が好きになった。だけど、翌年、別の先生が英語の担当になってしまうと…、急に英語がつまらなくなってしまった。

もし、この両者の先生で、教え理解させる力が同じである場合、いったいどこが違っているのでしょう。もちろん、表現技術の優劣というとらえ方もできますが、相性・感性の問題を含んでいることが多いのです。

ピアノ教室(講師)にも、上記のような学校の先生とまったく同じことがいえます。

このピアノ講師については、ピアノの指導力もある、サービスにも不満はない。
受講生側のことも、よく考えてくれてるとおもう。だけど、自分とはノリも違うし、お互いの話の内容ではなく、話のリズムが合わないんだ。ピアノ教室(講師)がかもし出す全体の雰囲気も、ちょっと自分には…

といったことが、どうしても起こりえます。

これが、相性・感性の問題です。この問題は、ピアノ指導力といった技術やサービスとは別の次元の話です。

ピアノ教室(講師)が、指導スタイルを確立したり、教室を運営していく中で、どうしてもそのピアノ教室(講師)がもつ個性や感性を含みこんでいかざるを得ない。

すると、ピアノ教室(講師)の感性と受講者の感性が、うまくマッチするとき、しないときという問題が、どうしてもでてくるのです。

あらかじめそのピアノ教室(講師)を調べたところ、申し分ない。指導力も高そうだし、経験も豊富。いまの自分の望む条件にも、ぴったり合いそうだ。でも、実際レッスンを受けてみると…、なにかが違うと感じた。

反対に、自分が想像していたピアノ教室(講師)とはまったく違うけど、新鮮ですばらしい指導をしてくれるピアノ教室(講師)に、いきなり出会うこともあります。


では、どうすれば、お互いの感性がピタッと合うような出会いをもつことができるのでしょうか?



その答えは、やはり、これだとおもえるピアノ教室(講師)に出会えるまで、できるだけたくさんのピアノ教室(講師)に指導を受けてみること。これしか、ありません。

ですから、冒頭で「自分にとって理想のピアノ教室(講師)。それは、めぐりあいによってもたらされる。」と、申し上げたのです。

人生にも、偶然が織りなす、とても貴重な出会いがあります。
あの場所で、あのタイミングで、あの人と出会っていなければ、結婚しようなんておもわなかった・・・というような。

理想のピアノ教室(講師)との出会いも、同じようなものです。

ピアノ教室(講師)を選ぶたのしみ、それは、ピアノがこんなにも好きだったもう1人の自分とめぐりあう、楽しい旅でもあるのです。