ピアノコンクール に詳しくなろう! 

ピアノコンクール に詳しくなろう! コンクールの紹介、レベル別コンクール、成功の秘訣についてやさしく解説


目次

1. 日本の主なピアノコンクール一覧

2.世界の主なピアノコンクール一覧

3. 大人向けのピアノコンクール一覧

4. 子供向けのピアノコンクール一覧

5. コンクールのレベル

6. コンクールのための準備

7. コンクールの課題曲

8. コンクール成功のための気持ちの持ち方、考え方





はじめに


現在、国内外には、たくさんのピアノコンクールが開催されています。国内のピアノコンクールも、増える傾向にあります。ここでは、主な国内外のピアノコンクールを紹介します。大人向け、子供受けといった様々な種類のコンクールや成功の秘訣についても、やさいく説明いたします。





1.日本の主なピアノコンクール一覧


グレンツェンピアノコンクール


グレンツェンピアノ研究会主催するピアノコンクール。40,000人以上が参加する日本国内最大級のピアノコンクール。 全国大会は、例年6月下旬に開催される。前年8月から全国で予選が開催される。課題曲は、バロック音楽、クラシック音楽、現代音楽と様々である。幼児から高校以上までが対象で、課題曲が与えられる。


東京国際ピアノコンクール

主催は一般社団法人 東京国際芸術協会。

3歳から出場ができ、一般部門、愛好者部門までと幅広く出場カテゴリが分けれれているのが特徴。課題曲も、それに合わせて細かく分けられている。


ピティナ・ピアノコンペティション

一般社団法人全日本ピアノ指導者協会が主催。全国で200以上の地区予選を開催している。予選参加者は、日本全国で3万人以上。5月下旬から各地で予選がはじまり、8月下旬には全国決勝大会が行われる。


浜松国際ピアノコンクール

静岡県浜松市にて、3年に1度開催される国際ピアノコンクール。浜松市および財団法人浜松市文化振興財団が主催する。近年は、日韓中を中心にアジア系の参加者が増えている。



カワイ音楽コンクール


日本の2大ピアノメーカーの一つ、カワイ楽器が主催するピアノコンクール。

1968年にスタートして伝統があり、小・中学生(高校1年生迄)を対象としている。全国大会入賞者からは現在活躍中のピアニストを輩出している。


高松国際ピアノコンクール

香川県高松市にて、4年に1度開催されるピアノコンクール。日本で3番目に創設された国際ピアノコンクールになる。2015年には、国際音楽コンクール世界連盟に加盟している。


全日本学生音楽コンクール

毎日新聞社主催のコンクール。ピアノだけでなく、バイオリン、声楽など音楽を志す学生のために開かれている。1947年に同新聞社が創設した歴史あるコンクールでもある。






2.世界の主なピアノコンクール一覧


ショパン国際ピアノコンクール

ポーランドでの国際音楽コンクール。1927年に第1回大会が開かれた。5年おきに開催されている。国際音楽コンクールとしては、世界でもっとも古いとされている。チャイコフスキー国際コンクール、エリザベート王妃国際音楽コンクールと並び「世界三大コンクール」と言われることが多い。


エリザベート王妃国際音楽コンクール


ベルギーのブリュッセルにて開催され、数多くのプロ奏者を送り出している国際音楽コンクール。ピアニスト、ヴァイオリニスト、声楽家、チェリストのために部門が創設されている。ファイナリスト上限は12人、セミファイナリスト上限は24人と定められている。


チャイコフスキー国際コンクール


モスクワで行われるクラシック音楽の国際コンクール。1958年から始まり、4年おきにモスクワで開催される。部門はピアノとヴァイオリンから始まり、第2回開催以降、チェロ、声楽などが加わった世界的に最も権威があり、エリザベート王妃国際音楽コンクール、ショパン国際ピアノコンクールと並んで、世界三大コンクールの一つとなっている。


ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール


アメリカの国際ピアノコンクール。第1回は1962年で、4年おきの開催となる。チャイコフスキー国際コンクールピアノ部門優勝者、ヴァン・クライバーンを記念して設立された。コンクールの演奏は、インターネットを通してライブ配信されたりもしている。過去の受賞者には、日本人では、辻井伸行がいる。


リーズ国際ピアノコンクール


イギリス、イングランド北部の都市リーズで開かれている国際的なピアノコンクール。1963年から始まり、3年ごとに開催されている。過去の受賞者には、日本人では、内田光子などがいる。


ジュネーブ国際音楽コンクール


スイス、ジュネーヴで毎年開かれている、コンクール。1939年に第1回が開催されており、歴史がある。室内楽、指揮者なども審査の対象。第1位受賞には、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ、マルタ・アルゲリッチ、フリードリヒ・グルダなどがいる。



ロン・ティボー国際コンクール

フランス・パリで開かれる国際コンクール。現在は、4年に1度のペースで開催されている。ピアニスト、ヴァイオリニスト、声楽家を対象にする。1943年に、ヴァイオリン奏者のジャック・ティボーとピアニストのマルグリット・ロンによって、創設された。



シドニー国際ピアノコンクール


オーストラリアのシドニーで開催されているピアノコンクール。1977年から始まり、1988年から4年毎に開催されている。ファイナルは、シドニー・オペラハウスで行われる。








3.大人向けのピアノコンクール一覧


ピアノコンクール エリーゼ音楽祭

大人の音楽愛好家のためのピアノコンクール。対象は、15歳以上(中学生を除く)と、大人に向けになっている。毎年5月から10月に予選があり、11月に全国大会を実施する流れ。主催、運営は、株式会社LACOMS。


スガナミピアノコンクール

東京にある菅波楽器が主催。ピアノ独奏、連弾、初見の3部門からなる。未就学児、小学生から、音大生、アマチュアまで広く参加することができる。個性重視のため、課題曲を決めずに成果を発表し、審査員からアドバイスを受けることができる。







4.子供向けのピアノコンクール一覧


グレンツェンピアノコンクール

上記に記載済み


ピティナ・ピアノコンペティション

上記に記載済み


JPTAピアノオーディション

公益財団法人、日本ピアノ教育連盟(Japan Piano Teachers Association)主催のピアノコンクール。このJPTAとは、ピアニストとピアノ教育者のための全国組織である。1984年、安川加壽子氏により設立され、第1回ピアノ・オーディションを開催したのが始まり。



日本バッハコンクール


運営、主催は、株式会社東音企画。企画は、日本バッハコンクール実行委員会が行っている。音楽の原典である、バロック期のポリフォニーの作品を学習してもらうことに焦点を当てている。幼児から18歳以上の一般も対象。



バスティンコンクール

バスティンピアノコンクール事務局が主催を行っているコンクール。対象は、未就学児から中学生以上まで。「生涯にわたって音楽を愛し楽しみ続ける事ができるように」という理念に基づいている。参加者すべてには、審査員から講評をもらうことができる。また、予選通過者は全国大会へ参加することができる。









5.コンクールのレベル


なんと言っても、世界三大ピアノコンクールといえば、こちらです。

・ショパン国際ピアノコンクール

・エリザベート王妃国際音楽コンクール

・チャイコフスキー国際コンクール浜松国際ピアノコンクール


どれも歴史あるコンクールですが、とりわけショパンコンクールはもっとも古いピアノコンクールです。世界の優秀な若手がこぞって参加します。

これらの名だたる国際ピアノコンクール以外にも、国内には、浜松国際ピアノコンクールなど優れた演奏家を輩出しているものは上に挙げたとおりたくさんあります。

また、全日本学生音楽コンクールなど、おもに学生やアマチュアを対象にしたコンクールも国内には多数あります。

レベルや開催時期はそれぞれ違います。ご自身のレベルに沿ったものを選んで、コンクールに望む必要があります。








6.コンクールのための準備


大きく分けて、2通りに分けられます。


・ピアノに向かい、細部のトレーニング、全体のチェック

・イメージトレーニング



ピアノ講師の先生から指導、チェックしてもらった技術的な点について、本番までの計画に基づいて練習を積み重ねます。全体のチェックは、指導の先生にしていただく、あるいは録音をしてみるのもよいでしょう。

イメージトレーニングは、ピアノから離れて行います。音楽に集中し、堂々と弾ききっている自分自身をよくイメージします。これは、細かい技術的なことやその他の雑念にとらわれず、良いイメージで弾ききる自分をつくることに役立ちます。








7.コンクールの課題曲


コンクールの前になると、各コンクールの主催者より告知があります。具体的な内容は、各コンクールのホームページなどで確認します。

早めにチェックをし、十分な計画を立てて練習に臨むことが望ましいです。







8.コンクール成功のための気持ちの持ち方、考え方


何のためにピアノコンクールに出場するのか。

この目的を定めることが、もっとも大切です。すばらしいテクニックや高い目標など、金賞や受賞を目指すに足る資格を備えていえれば、もちろんそれを目指すことはすばらしいことです。そういった方は、最善の状態で望み、すばらしい結果を出すことが最大の目標になるでしょう。

ただし、多くの参加者が入賞できるわけではありません。結果に重点を置くのではなく、プロセスそのもの、つまりコンクール体験に価値があると考えることも非常に大切です。本番までの練習に耐える力、あるいは本番の極度の緊張感の中でなんとか弾ききったという自信。こんな経験が、その後の人生に与える影響は計り知れません。

それぞれの参加者が、または子供であれば、その保護者(両親)が、ピアノコンクールに望む前に、そして経過の中で、どのような意義を見出すのか、または本人にどう自覚させるのか。結果を問わず、コンクール体験をすばらしいものにできるかどうかは、それにかかっています。





ピアノ教室.net 編集部