Q&A: 子供のためのピアノコンクールで、おすすめは?
19年05月
Q: 子供のためのピアノコンクールで、おすすめは?
現在、子供のためのピアノコンクールが、全国でたくさん開催されています。ピアノの先生方がおすすめしたいピアノコンクールは、どんなものでしょうか。コンクールの名称とともに、選んだ理由も具体的にお聞かせください。先生個人の主観でかまいませんし、現在教室にいらっしゃる生徒さんを対象に考えていただければと思います。
ピアノ教室.net編集部からの質問
A:ピアノの先生の回答
(先生のそれぞれの立場とタイプから回答)
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フクロウ・タイプ (学問的、または知恵ある意見を述べたい先生の立場からの意見 |
こんにちは!埼玉県のウィステリア・ピアノクラスです。
私の教室では、下記のようなピアノコンクールに、子どもさんを参加させております。
全日本ジュニアクラシック音楽コンクール,ヨーロッパ国際ピアノコンクール,ベーテンピアノコンクール,ジュラキシュ国際ピアノコンクール, JPTAピアノオーディション、洗足学園ジュニア音楽コンクール,ピティナコンペティション,横浜国際コンクール,グレンツェンコンクール,
自治体主催のコンクールetc.
「全日本ジュニアクラシック音楽コンクール」で入賞した生徒さんにつきましては、TIAA(東京国際芸術協会)から、オーケストラとの共演という滅多にないオファーが来ました。その生徒さんはソリストとして、プロのオーケストラとピアノコンチェルトを演奏するという貴重な機会に恵まれました。
「ヨーロッパ国際ピアノコンクール」では、「審査員特別賞」を頂いた生徒が、その後も大きく躍進しました。きめ細かな審査をして下さるという点において、大変魅力的なコンクールであると思います。
「JPTAピアノオーディション」においては、「小学校2年生以下の部門では、全国大会への進出者推薦を行わない」という規定があります。若い生徒さんの可能性を慎重に見守るといった意味で、この方針には共感出来るものがあります。
「洗足学園ジュニア音楽コンクール」は、小規模ながら、予選の時点から、参加者の質が高いことが特徴です。音大の先生に師事されている生徒さんが、多く参加されるようです。音楽専門に進まれる子どもさんには、お勧めしたいコンクールの一つです。過去、私の生徒さんが、このコンクールで、最優秀賞(一位)を獲得しました。
「ピティナ・コンペティション」では、バロック・古典・ロマン・近現代という四期の作品群から課題曲が選ばれているなど、一貫した体系づけがなされていることが特徴です。クラシック音楽を専門的に学ぶにあたって、これが大変重要であることは言うまでもありません。
「横浜国際コンクール」のジュニア部門で一位を獲得した私の生徒は、進学に際してチェロを専攻したので、ピアノは副科ではありましたが、志望していたジュリアード音楽院(米国・マンハッタン)に合格することが出来ました。このコンクールは2016年の第10回をもって、多くの方々から惜しまれる中、開催終了となりました。
「自治体が開催しているピアノコンクール」の中には、審査員の先生方の質が高いものが多く、そこで得られる的確かつ貴重なアドヴァイスの内容からは、指導者、生徒ともに得られるものが多くあります。
「グレンツェンコンクール」では、レッスンを重ねるごとに美しく豊かな表現力が育まれるよう、また、徐々に大きな曲へ無理なく誘われるようにと、課題曲に段階的な工夫がなっています。予選の段階では平易な曲による参加が可能なため、初心者にも門戸が開かれていることも、特徴の一つです。グレードの高いホールでの演奏、高入賞率、豪華トロフィー、額入り賞状(銅賞以上)など、参加者に与えるモチベーションは計り知れません。
各コンクールにはそれぞれ特徴がありますから、最も合ったものを選んで、上手に機会を利用なさると良いと思います。
ジュニアコンクールは、プロの登竜門ではなく、あくまでも学習する上で与えられている機会の一つに過ぎません。
ですから、参加するにあたって最も大事なことは、結果に一喜一憂したり、過度の緊張やプレッシャーにより、本来の音楽の最も偉大な目的、すなわち-楽しむこと-を見失わないことです。
ジュニアコンクールの参加者はまだ子どもですから、指導者や保護者が過度の期待をかけたり、本人の自然な成長を待たずに先走ったりすると、逆効果になることさえ起こり得ます。
大人である私たちが、子どもさんの気持ちに寄り添うことが、とても大切です。そして、それは大変難しいことなのです。
ピアノを学んでおられる子どもさん方が、コンクールというスペシャルイベントを通して、一生、音楽を愛好し続けていかれること、および、豊かな感性と心を持つ大人に成長して下さることを切望して止みません。
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ウサギ・タイプ (楽しい雰囲気を大切にする先生からの意見) |
コンクールに限らず、何をしたいかによって、何を受ければ良いかが決まってきます。
https://www.piano-k.net/article/oyakudachi_190221_piano_contest.html
にあらかた書かれていますので、自分で読んで、調べて、納得して受けて下さい。(子供さんが受ける時には、子供さんも含めて議論をして下さい。)
1)コンクールの雰囲気を味わいたい方、先ずは体験したい方。お近くのコンクールを先ず受けてみて下さい。
2)自分の実力が知りたい方。階級別の審査会をしてくれるコンクールが良いです。ピアノの先生と相談して決めて下さい。実力から離れたコンクールは、無駄とは言いませんが、余り参考情報を得られません。なお、審査員からの講評が欲しければ、中日グレードテスト、鎌倉小中高校音楽コンクールもお勧めです。(私、その両方の審査員をしています。)
3)将来プロになりたい方。所謂大学受験の模擬試験と同じなので、自分の実力の少しだけ上のコンクールを選んで下さい。先ずは日本で、次に海外を。
日本のコンクールについては、全日本学生音楽コンクールの入選を目指して、最終到達目標として東京国際ピアノコンクールの入選を目指すと良いでしょう。
4)賞金稼ぎをしたい方。これは、音楽事務所の所属の為やその時々の採用決定の為のオーディションを受けると良いでしょう。
具体的な話は、個別論になります。お気軽にご相談下さい。
参加しやすいコンクールでありながら、一定水準以上の
ブルグミュラーコンクールをお勧めします。人気は、年々上がっていますね。
クオリティの高さでは、やはりピティナコンペティションです。
最近は、やはり こちらも参加者がとても増えています。
コンクールに参加する前に課題曲の説明会など開催されますので、一層 生徒さん自身の勉強の機会が広がります。
前向きに楽しく目標を持って チャレンジして頂きたいと思っております。
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ネコ・タイプ (独自の意見を言いたい先生の立場からの意見) |
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ウシ・タイプ (目標に向かって地道な努力が大切と考える先生の立場からの意見) |
ピティナピアノコンペティション
課題曲が時代別に分かれており、バロックから近現代まで4期に渡り満遍なく学べると
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犬・タイプ (真面目で親しみやすい先生からの意見) |
ピアノの練習を真面目にやって譜読みも早い子なら、ピティナや県の予選2曲本選1曲の課題曲を弾くコンクールを勧めます。
譜読みが遅いけれど、コンクールを経験させてみたいなら、バッハコンクールを勧めます。1曲をじっくりしっかり勉強できるからです。
こちらに挙げたコンクールは複数の審査員の講評を貰え、自分の良いところ、足りないところを教えてもらえるからです。
☆ブルクミュラーコンクール
*ブルクミュラー25の練習曲と、18の練習曲の中から選べる事。
*年齢を問わず、ブルクミュラーの曲に挑戦できる。
☆日本バッハコンクール
*課題曲AとBがあり、どちらか自分のレベルに応じて参加できることで、心理的に参加しやすい。
*全国大会で、金賞をいただいたが、一人というわけではなく、何人も金賞や銀賞銅賞をいただけることで、コンクールの敷居が高くないことで参加しやすい。
やまもとピアノ教室
山本理紗
生徒さんそれぞれのレベルに応じて、適切なコンクールを選んでいただくのが最も良いと思いますが、当教室ではピティナ ピアノコンペティションに出場される方が多いです。
理由としては、バロック・古典・ロマン・近現代の「4期」を学ぶことができるからです。(ソロ部門の課題曲の場合)
もちろん、楽しくピアノに取り組んでもらうことが大前提です。
しかしその上で、一歩深くピアノと向き合ってみたいという生徒さんに関してはそれぞれの楽曲や時代に関する知識を学ぶことで演奏曲への理解が深まると考えます。
それぞれの時代で異なる音楽に触れ、その違いを感じることで、ピアノという一つの楽器に対するさまざまな見方や価値観を学ぶことができます。
ただ、初めに述べたようにそれぞれのレベルや、タイミングに合ったコンクールを選ぶことが最も重要です。
たとえば、現在取り組んでいる曲をより高いレベルに磨きたいという場合は自由曲で参加できるコンクールが良いですし、このコンクールに参加したい、というものがあればその課題曲に合わせて目標設定するのがよいでしょう。
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クマ・タイプ (母性的、甘えさせてくれそうな先生の立場からの意見) |
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シマウマ・タイプ (優雅さと優美さをもって指導したいと考える先生の意見) |
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キリン・タイプ (のんびりした先生からの意見) |
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馬・タイプ (活動的で、パワーを与えてくれそうな先生からの意見) |
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羊・タイプ (平和的でおとなしめの先生の意見) |
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ライオン・タイプ ( 権威的、きびしい先生の立場からの意見) |