Q&A: ピアノを再開したい。どんな教材から始めればよいですか?

ピアノを習っているお子さんやそのご父母、そして大人のピアノ学習者の方には、ピアノ・レッスンやピアノ教室に対して疑問や悩みが少なからずあります。当サイト登録のピアノ教室運営者、ピアノ講師が、その疑問、悩みに答えてくれます。

2017年3月







Q: ピアノを再開したいと思っています。どんな教材から始めればよいでしょうか?


30代の主婦です。ピアノをまた再開したと思っています。 7歳から15歳くらいまで、ピアノを習っていました。

でも、あまり進んでいません。 指もしっかり動くわけではなく、上手ではありません。
昔はブルグミュラー、ハノンなどをやっていました。 ソナチネへ進みましたが、最初のあたりで辞めてしまいました。

何から始めていいのかわかりません。
教材はどんなものがよさそうでしょうか? よろしくお願いします。






A:ピアノの先生の回答  (先生のそれぞれの立場とタイプから回答)

ライオン・タイプ
権威的、きびしい先生の立場からの意見
フクロウ・タイプ
(学問的、または知恵ある意見を述べたい先生の立場からの意見)
馬・タイプ
活動的で、パワーを与えてくれそうな先生からの意見

ウサギ・タイプ
(楽しい雰囲気を大切にする先生からの意見)
ネコ・タイプ
(独自の意見を言いたい先生の立場からの意見)
ウシ・タイプ
(目標に向かって地道な努力が大切と考える先生の立場からの意見)
犬・タイプ
(真面目で親しみやすい先生からの意見)
クマ・タイプ
母性的、甘えさせてくれそうな先生の立場からの意見
シマウマ・タイプ
(優雅さと優美さをもって指導したいと考える先生の意見)
羊・タイプ
平和的でおとなしめの先生の意見
キリン・タイプ
のんびりした先生からの意見
  その他・タイプ (その他の考え方とタイプの先生)






ライオン・タイプ

( 権威的、きびしい先生の立場からの意見)



フクロウ・タイプ

(学問的、または知恵ある意見を述べたい先生の立場からの意見



大人になって再びピアノに触れたいと思う方の多くが、ご相談のように「ソナチネ付近で挫折」という経験をもっていらっしゃるように感じています。


ソナチネは、構造を知ると面白さや旋律の美しさ、組み合わされた楽章の楽しさを知ることができます。ですが、小学生~中学生のレッスンではその妙味を理解して演奏することは難しく、譜読みをしてただ弾くだけというレッスンにとどまってしまうことがほとんどです。そのため、ピアノが苦痛になって辞めるというパターンがみられるのです。


そうしたバッググラウンドをもっていらっしゃる方へ、私がおすすめしているのが「ギロック 叙情小曲集」です。
おすすめする理由は3つあります。



【一曲が短い】

大人になると、譜読みのスピードはどうしても遅くなります。子どもの時と比べて反射神経がにぶくなるので、指が動かしづらく感じたり、思っているように弾けなかったり‥‥ということは避けられません。なので、ソナチネのように量のある曲にいきなり取り組むのは苦痛と感じる方が多くいらっしゃいます。
「ギロック 叙情小曲集」に収録されている曲は、ほとんどが1ページ分、なかには10小節しかない曲さえあります。
曲の全容を一目で推し量ることができるので譜読みもしやすく、ピアノ再開にはもってこいの教材です。



【楽語が英語表記で読みやすい】

ギロックの曲は、響きや旋律がたいへん美しく、実際に大人の生徒さんからも「自宅で弾いていると楽しい」、「弾いているとリラックスできる」という感想をいただくことがあります。
曲の美しさを存分に表現するためには、指示されているとおりに音のやわらかさやテンポを変える必要がありますが、楽語はイタリア語が多く、ピアノを再開した方には読めないこともしばしば。

その点、米国出身のギロックは、楽譜に英語の楽語を書き込んでいます。そのため、音楽の知識がそれほどない方でも、作曲家の指示を汲み取ることがかんたんにできるのです。
Slowly(ゆっくりと)、Quietly(静かに)といった曲の表現に必要な指示を守ることで、奏でる音楽は、より豊かなものになります。



【ほかの作曲家の作風を模倣した作品が多い】

模倣といっても「パクリ」というわけではありません。ギロックは、敢えてドビュッシーやシューマン、ショパンといった作曲家の曲《月の光》、《ノクターン》など‥‥‥を意識した書法を用いることで、それらの響きを弾く人に意識させ、それらの曲を弾く準備をさせてくれているのです。


これらの曲は巧妙に作られており、小学生のお子さんでも「この曲、CMで聴いた曲と感じが似てるね(ドビュッシーの《アラベスク》のことでした)」と気づくほど、響きをうまく取り入れています。
こうした作品は、取り組むことで満足感も得られますし、いつかあの曲を、という目標作りにもつながります。
今まで何人もの方にギロックの作品集を教材としてご紹介してきましたが、どなたもその音楽性や美しさを楽しんでいらっしゃいます。
ペダルや、左右を交差する奏法も取り入れられているので、講師としてもレッスンのやりがいがあり、わずかなアドバイスでめきめき上達される様子をみるのはとても楽しいです。



アメリカ全土でピアノ教師向けのワークショップをおこない、「指導者を指導する」ことに熱心だったウィリアム・ギロックの作品は、どれも短い曲ですが弾き映えがするものが多く、発表会の曲としてお渡しすることも少なくありません。弾くことのよろこび、響きを重ねることの楽しさを教えてくれる教材として、私は強くおすすめします。


エムジック音楽教室



先ずハノンから始めるべきでしょう。
その前段階として、テーブルの上に手の力を抜き置きます。すると指の形が半円形(トンネルの形)になります。その状態で先ず人差し指をなるべく高く上げ、素早くテーブルを叩きます(決して力まずに)ゆっくり1,2,3、4で中指を上げ、素早く薬指、同様に小指、そして逆戻りします。
最も大切な点は、叩いたときの指の形が半円状態(トンネルの形)であることです。更に決して押さえつけず指をテーブルに置くだけです。
薬指は上がりにくいですから、隣のの指も一緒にあげたら良いでしょう。
(親指は寝かせた状態です)


次にハノンの1番を16分音符でなく、全音符で1234と数えながら1オクターブ「片手」で指の形を確認しながら弾きます。
次に2分音符、そして4分音符、8分音符。最終的に16分音符で弾きます。
もう一つ重要な点は、手のひらの高さが鍵盤と同じ高さであることです。

20番を弾くころには指スムーズに動くようになっているはずです。


ソナチネを途中で断念したそうですが、とても楽しく、他の曲を楽に弾けるようになる曲集があります。
それは「全音楽譜出版社」のピアノのための「バロック名曲集」の上、下巻です。
これが弾けたら「ソナチネ」「ソナタアルバム」などが難なく弾けるようになります。


参考になればうれしいです。「音楽が音我苦」にならないためにも頑張らず楽しんでください。


練習時間を決めて、極力同じ時間に毎日練習してください。長時間の練習は避けてください。最大30分が適当かと思います。


「藤田音楽教室」藤田将利

 



8年間ぐらいレッスンなさっておられ、最後はブルミュラーやハノンを弾いていらしたのですね。ブルグミューラーは名曲が多く、しかも短い曲ばかりなので学習しやすかったと思います。
ひとつお伺いします。楽曲の分析はされていましたか。ハノンはどのようなことを考えて練習されていましたか。多分昔のことなので覚えていらっしゃらないかと思います。たとえばブルグミューラーをしっかり分析してハノンで習得したテクニックを応用すれば、各曲ごとによりフィットした優れた演奏に導けると思うのです。


そのためには音楽の全てをバランスよく搭載し、上級レベルまで楽器店で買えることができる教材が必要です。このように初歩から上級へつなげながら身につけていくレッスン法をお勧めします。画期的なピアノ指導法がこの世に存在しています。それは「ペース・メソッド」です。私も長年探していてようやく出会えたものでした。


半世紀以上前にNYコロンビア大学名誉教授の故ロバート・ペース博士によって開発されたものです。三十数年前、神保洋子(元NHK、ソニー音楽ディレクター、現NYにてペース・メソッドによるjimbo  music studio 主宰)が日本に紹介・翻訳され音楽之友社からテキストが出版されています。(初歩~上級)


特長はたくさんありますが、認識学習といって今何を学んでいるかをしっかりわかって理解できて、はじめて演奏につなげ活きてくる、という理念です。
後一つ、独創性の開発、これは習い始めから先生が機会を作り曲が作れるように指導します。実社会においてはTPOで即断力が発揮できるようになるためのものでもあります。
博士は”音楽活動は常に頭(耳)・心・指”この3者が同時に作動しなければならない、と強調しています。その理由から「音楽は教科の中心であるべき」とも提唱しています。


テキストは4冊同時に学習するようになっています。4冊は関連づけて身に付くように構成され上へつなげて応用していけます。

●ピアノレッスン:音楽の構成や理論、音楽の何を学ぶかの把握
●音楽のべんきょう:ピアノレッスンを基に移調や変奏をします。
●ドリルブック:調号や和音作曲など理論を書く、弾くが主です。
●指をきたえる:全調で色々な練習をして臨機応変な指を作る専門 のテキストです。


ガイダンスは「ペース・メソッド研究会」のホームページをご覧ください。https://pacemethod-japan.jp/


廣岡ピアノ教室





馬・タイプ

(活動的で、パワーを与えてくれそうな先生からの意見)




 



ウサギ・タイプ

(楽しい雰囲気を大切にする先生からの意見)




ネコ・タイプ

(独自の意見を言いたい先生の立場からの意見)


はじめまして、こんにちは。
私自身も10代の頃に3年程ピアノを中断していてその間一度も楽器に触れていなかった再開組です。

再開してから2年位はやりたいと頭で思っていることと指の動きのスムーズさに違和感はずっとありましたのでそこは深く考えないで指を動かしていくことを優先していきました。

いままで使っていた教材の中から比較的無理なく指が動く曲を2,3曲ウオーミングアップ用にランダムに弾いたりしました。
難易度なども気になるかと思いますが、初期は音階や猫ふんじゃった、ブルグミュラーの曲でパターンが決まっているアラベスクやバラードなどもおすすめです。
指の動きを解してくれて頭も次の指の動作がイメージしながら弾いていけるようになっていくと思います。

弾いている間、指の関節や腕、肘などに違和感や痛みを感じる場合は力を使いすぎのサインですので、無理をせず休憩してください。
弾けなかったりうまくいかないことは気にせず、いろいろと指を動かして試していくと段々指も解れていくと思います。





 


ウシ・タイプ

(目標に向かって地道な努力が大切と考える先生の立場からの意見)


指を動かすハノンなどの練習とチェルニーなどの練習曲を二つ合わせたものとして、バーナムのピアノのテクニックはどうでしょうか。
一曲ずつが短くて練習しやすく、題名が付いているので親しみやすいです。子供を対象とした曲集の様に思われがちですが、大人の再開時の教材としてもとても優れていると思います。
復習を兼ねて一巻から始めては如何でしょうか。
それと共に曲集としてはソナチネをお持ちなら簡単な物からもう一度練習を始められてはどうでしょう。
ソナチネは一巻と二巻がありますが、普通は一巻だけを持たせる先生が多いですが、二巻も綺麗な曲が多いです。
二巻の方が音符の大きさも大きくて楽譜が見やすいですよ。

ブリランテピアノ教室  中須賀和子






犬・タイプ

(真面目で親しみやすい先生からの意見)



ブルグミュラーまで経験された方の再開、というケースでのご提案です。
先ずは譜読みや鍵盤の位置感覚を思い出されて、
10本の指の動きをリハビリするために、易しい
レベルから取り掛かることをお勧めします。


以下の3冊から復習されてはいかがでしょうか?
*全音楽譜:ギロック作曲/はじめてのギロック
→21ページ~34ページを先にこなしてから先頭の曲から順
に取り組むと進みやすいでしょう。まずはこの44曲を弾
ければ、ブルグミュラーの復習も楽しめると思います。
易しい作りの中にも、遊び心やちょっとした仕掛けが あ
ります。


*カワイ出版:添田みつえ著/あっという間に全調が弾ける本①
→久しぶりのピアノですと、音符が重なった和音の読み取
りや、鍵盤の白黒選びに戸惑う方が多いようです。雪だ
るまに例えて、音の重ね方を学習していきます。
この感覚を取り戻すには独学よりレッスンに通われた方
が近道と思います。


*全音楽譜:バーナム著/バーナムピアノテクニック全調の練習
→上記のテキストと併用すると効果的でしょう。
長調と短 調、調によるシャープとフラットの関係を確
認できます。16分音符の速い動きを思い出すにも良いで
すし、8~16小節の短い曲ですからリハビリにお勧め
です。


この3冊をこなされたら、ぜひ次のレベルのお勧めテキストに
ついて、どうぞご相談下さい。楽しいピアノライフが待っていますよ^_^


春海音楽教室 高間はるみ





私の場合でしたら、まず、主教材としているピアノレッスンの併用曲集2、3(カワイ出版)が初見でさっさと弾けるかどうか、 それにプラスしてギロックのべストアルバム1(全音)程度の曲がどんどん進められか、、、とみていきます。
ギロックは、きれいな曲が多いですので、ハノンやツェルニーなどのつまらない練習曲をするより、曲のなかで指を動かすことをやっていく方が、楽しいと思います。また、バロックの曲や現代曲をされていないようなので、4期の時代の入ったきょくしゅうもよいとおもいます。
東音企画から出ているリタラチャー1、2、などもよいかと思います。
大人の場合は、何かを弾けるようになりたいという気持ちの方が強いのですから、簡単な曲を沢山弾いて 数をこなしていく方が 良いのではないかと、考えます。

 




譜読みは大丈夫だと思います。ハノン、チェルニー、バッハのインベンション、ソナチネなどで基礎力をしっかり勉強しながら、あこがれの曲やポピュラーなども取り入れて、楽しみながらピアノレッスンを再開したらいいと思います。イメージや音色の工夫など表現の幅が広がるようにアドバイスさせて頂きます。




ピアノを再開されたいとのことですが
まず以前に弾かれていた曲からなさるとよいと思います。
指が動きにくいと思いますので「ハノン」を弾いて5本の指を均等に動かされるとよいと思います。単調で楽しくないかもしれませんが、譜読みも簡単ですし効果がありますよ。
そしてやはり先生について習うことが上達への近道です。

東久留米市
井手ピアノ教室
井手尚子





クマ・タイプ

(母性的、甘えさせてくれそうな先生の立場からの意見)





 


シマウマ・タイプ

(優雅さと優美さをもって指導したいと考える先生の意見)



何か弾きたい曲があるのなら、それを先生にお伝えすれば良いと思います。今すぐ挑戦するには難しい曲であれば、それに向けてどんな教材を使えばよいか考えて下さると思います。大人になって再開する時に子供と違うのは 理解力があるということです。楽譜をしっかり理解して弾くことができるので、指がしっかりしていないから とか、上手じゃないと思う必要はありません。むしろ そう思うことが上達の邪魔になるので、上手に弾けた時のイメージを持って 練習するようにしてくださいね。







羊・タイプ

(平和的でおとなしめの先生の意見)







キリン・タイプ

(のんびりした先生からの意見)








その他・タイプ (その他の考え方とタイプの先生)



はじめまして。
まずは、ピアノに「おかえりなさい」


小学校入学から中学校卒業までぐらいの期間お勉強されたのですね。良く頑張って来られたと思います。
7才という年齢はいわゆる「身体で覚える」時期はギリギリですから、久しぶりに弾いて「あ、弾ける!」はあまり期待出来ないかも知れません。
それは昨今放送されている著名アスリートの現在の様な番組でご存知の通り、多少の差はあれ、みなさん「こんなはずでは…」になっているのと同じです。
でも!中には同じ30代から復帰されていろいろなコンクールのアマチュア部門で受賞されたりしついる生徒さんもいらっしゃいます。
もちろんそういうことばかりが目標ではないと思いますが、例としてご紹介しますね。
その方(以下Aさんとお呼びしますね)は初めて来られた時「初心者です。よろしくお願いしまーす」と元気に来られました。
お試しレッスンの時に、大人初心者の方対象の指トレを少ししましたらAさんはたどたどしくはありましたが同方向への運指は出来ていました。大体ここでバレるのです。実は昔…と白状されました。教室に置いてあった2、3種類のテクニック用教材を選んでいただいたらAさんは2つ選んで帰られました。Aさんは帰りがけに2冊を購入されたそうです。翌週来られたAさんは
開口一番「ここまで簡単に弾けて、ここまで気合いを入れたらやっと弾けて、ここからは無理」と。
思わず笑ってしまいましたが、以後私はそのやり方を使っています。本当に初心者の方は「気合いを入れたら」がなくて「無理」というところがすぐ来るのですが、ニセ初心者(ごめんなさい)の方は「気合い」のところからじっくり弾かれるのがいいかと思いますよ。ちなみにAさんが選んでいかれたのは「バーナムピアノテクニック」と「ピアノのテクニック(緑色の薄めで大きい本)」でした。少し感覚が戻られたら、いまは名曲集もジャンルやレベルが豊富ですから、ソナチネぐらいまでなさっていたのでしたらブルグミュラー後半程度などと表記のある楽譜をパラパラとめくって見られては?
もし可能であればレッスンに通われて曲のアドバイスを受けられるのがベストですね。
末永く音楽を楽しんでいただけたら嬉しいです。
応援しています。

わたなべ