Q&A: 子供向けピアノコンクールの良い点、悪い点について、おしえて

ピアノを習っているお子さんやそのご父母、そして大人のピアノ学習者の方には、ピアノ・レッスンやピアノ教室に対して疑問や悩みが少なからずあります。当サイト登録のピアノ教室運営者、ピアノ講師が、その疑問、悩みに答えてくれます。

18 年12月







Q: 子供向けピアノコンクールの良い点、悪い点について、率直にお答えください



昔と比べて、子供の人口は減少していますが、子供(幼児から小中高校生)向けピアノコンクールの数は増えています。それらを、様々な観点から選び、利用されているピアノの先生方も多くいらっしゃると思います。実際にそのようなピアノコンクールに生徒さんを参加させている、もしくはあえて参加させない立場から、その良い点、悪い点について率直にお聞かせください。


ピアノ教室.net編集部からの質問





A:ピアノの先生の回答  (先生のそれぞれの立場とタイプから回答)

フクロウ・タイプ
(学問的、または知恵ある意見を述べたい先生の立場からの意見)
ウサギ・タイプ
(楽しい雰囲気を大切にする先生からの意見)
ネコ・タイプ
(独自の意見を言いたい先生の立場からの意見)

ウシ・タイプ
(目標に向かって地道な努力が大切と考える先生の立場からの意見)
犬・タイプ
(真面目で親しみやすい先生からの意見)
クマ・タイプ
母性的、甘えさせてくれそうな先生の立場からの意見
シマウマ・タイプ
(優雅さと優美さをもって指導したいと考える先生の意見)
キリン・タイプ
のんびりした先生からの意見
馬・タイプ
活動的で、パワーを与えてくれそうな先生からの意見
羊・タイプ
平和的でおとなしめの先生の意見
ライオン・タイプ
権威的、きびしい先生の立場からの意見
  その他・タイプ (その他の考え方とタイプの先生)







フクロウ・タイプ

(学問的、または知恵ある意見を述べたい先生の立場からの意見



廣岡ピアノスタジオ

ペース・メソッドコンサルタント 廣岡文子

回答

当教室ではピアノコンクールという類のイベントには参加しておりません。

ロバート・ペース博士はコンクールといった人と競うことを好まない方だったからです。
それより個人の能力をトータルな指導法で音楽力を伸ばすことに集中するよう説いているからです。

グループでピアノの学習項目を全て扱うペース・メソッドに関心のある方はご連絡ください。
ピアノ学習は全ての教科の核になる、という理論です。
幼稚園や学校等で実践される方を探しています。





先ずコンクールに生徒を参加させない立場から述べさせて頂きます(特にピアノ教室を経営している楽器店主催の場合)
ほとんどの場合、優勝、あるいは上位入賞するのは、その楽器店主催のピアノ教室の生徒です。
20年以上前、私の生徒が参加して入賞を逃しました。
入賞発表が終わった後、周囲にいた人たちが私の生徒を見て「どうしてあなたが入賞しなかったのかしら?おかしいわね~!」
と納得していませんでした。
私の生徒は当時高校1年生で、ツェルニー60番を終了しており、リストの超絶技巧練習曲第7番「Eroica」を完璧に弾きこなしたのです。
弾き終わった後、ものすごい拍手と「ブラボー!」の歓声があがったくらいです。
しかし結果は入賞せず!
以来、コンクールには一切出場しようとは言わなくなり、私も絶対に出そうとは思わなくなりました。
その後生徒は桐朋音楽大学ピアノ科に現役合格しました。

日本の悪しき風潮は、美術しかり音楽においても「どの先生に習ったか」で合、不合格が決まる場合が多々あります。
その風潮が嫌で海外留学する人たちがいることは、多分ご存じのことと思います。
従いまして、私は生徒達をコンクールに参加させません。

「藤田音楽教室」藤田将利

 


 

コンクールに参加するとなると、練習量が必然的に増えますよね。

ですから、参加することが生徒さん本人による意思によるものでしたら、上達するにあたって、大変良い機会であるに違いありません。

わたしの教室では、ほぼ毎年、コンクールに参加・入賞される生徒さんがいますが、参加に際して、「結果に左右されないこと」を、保護者の方と本人に、事前約束を頂いています。

結果は、その子の音楽性を決定するものではありませんので、コンクールの成績を過度に気にされるような方には、参加を勧めておりません。

つい先日、未就学児部門で、予選、本選ともに通過した生徒さんの親御さんから、喜びと感謝のメールを頂きました。

「成長を感じました。」という内容でしたが、それは、単なる演奏に関する事柄だけのことでなく、「お辞儀から演奏終了までの態度」に関することを含むものでした。

「楽曲を演奏する」ということは、対象となっている作品に対して責任持つということですから、当然、演奏者の精神状態や心の姿勢が問われるわけです。

ですから、技術だけではなく、聞いて下さる人々に対する感謝の気持など、つまり、コンクール参加が、その子供さんの「全人格的成長」に貢献するということなのです。

「コンクール」という場は、「発表会」という「採点のない演奏の機会」に比べ、「より一層、緊張感の高い場」として、そういった疑問に対して、明確な回答を出してくれます。

そして、それは、生徒さんに「飛躍的上達の機会を提供してくれるもの」だと確信しています。

ここ数年のうちに、コンクールの数も増えましたね。それに伴って、生徒さんご自身が、その中から、ご自分にふさわしいものを選ぶことも出来るようになりました。

現在師事されている先生に相談しながら、生徒さんご自身に、最も合っているコンクールやイベントに参加なさることをお勧めします。

https://www.piano-k.net/profile/profile0000000787.html

 





ウサギ・タイプ

(楽しい雰囲気を大切にする先生からの意見)



良い点は、明確な目標があるので、課題曲または、自由曲をの細かい点まで突き詰めて練習し、仕上げるので、とても曲を理解し、音の出し方まて勉強になります。生徒さんも、コンクールという事で、より一層努力し、結果実力が上がると思います。また、審査員の先生方から講評も頂けるので、新たな課題が見つかり、その後の役にも立ちます。また、大変緊張するステージを経験する事は、自信にも繋がると思います。

悪い点は、他の教材の曲がストップしてしまう事と、結果が良くなかった時に、もう出たくない、と落ち込んでしまうことかな。でも、思ったような結果が出ない事は沢山あるので、必ずフォローし、次に活かせるよう導くように気をつけています。

 




ある程度のレベルの曲が課題曲のコンクールなら、子供がやる気があり、保護者もとても協力的であれば、レベルアップすると思います。審査員の先生方の講評も今後の課題が見えてくる為になる内容だと感じます。
それに対してレベルが低めの同じ短い曲を何十人も弾くコンクールは、審査員の講評というより一言コメントが雑で、参加することにあまり意味がないと感じました。
コンクールに参加するなら、先生が下見をして生徒さんに合ったものを選ばないと、後悔する事になるかもしれません。
私は生徒と保護者が共に希望するのであれば、コンクールに参加させたいです。その経験は人生の糧になり、一生の思い出になるはずです。

 




私は生徒の気持ちを重視しているので、生徒の希望があれば参加しています。
参加するにあたっての良い点は、本人がいつものレッスンで仕上げてくるのとは少し違った意識、意気込みで目標を持ったワンランク上の曲仕上げという過程はコンクールの結果関係なく素晴らしい経験だと思います。
また、コンクールには課題曲があるので自分と同じ曲を演奏する他の出演者の演奏を聴く事によって本人の今後の課題や刺激にもなり、とても貴重な時間だと思います。
親御さんにとっても舞台の上で演奏している我が子はヒヤヒヤながらも成長を感じる事が出来、課題曲では我が子と違う演奏の仕方を見る事が出来たりして良い機会でしたと言うお声も聞いた事があります。

悪い点は、生徒によってですが、どうしてもその期間だけコンクール曲に集中してしまって他の曲が進まず色んな曲をどんどんこなしていくという事は出来にくくなると思います。
また、コンクールが終わると、しばらくコンクールロス?(笑)なのか達成感が出てしまい次の新しい曲の進みが若干ゆっくりになるような気がします。


良い点も悪い点も生徒さんの性格や曲の取り組み方によって感じ方も違ってくるので一概に言えませんが・・・

 


 




ネコ・タイプ

(独自の意見を言いたい先生の立場からの意見)



お子様のピアノのコンクールは昔に比べると種類が豊富になったと思います。その中から生徒さん個人に適したコンクールが選択出来るのはとても良いと思います。ただ、コンクール参加にあたりそれまでの努力よりも更に努力しなければならいことや、結果が思わしくなかった場合は生徒さんの気持ちが悔しさからやる気になる場合と挫折して心が折れる場合に別れると思います。結果が良かった場合は更に自己評価も高くなるとは思うのでやる気は出ると思います。




 


ウシ・タイプ

(目標に向かって地道な努力が大切と考える先生の立場からの意見)




こんにちは、市川市菅野でレッスンをおこなっているエムジック音楽教室です。

コンクールには、ピティナやグレードのように、自分の現在のレベルを確認する目的のもの、プロが演奏しているような本格派のステージに立つことを主眼としたものの2つに分けることができると思います。

前提として、受験およびそのほかの選考試験などに課外活動として記載したい場合、創設されたばかりの新しいコンクールはあまりおすすめできません。ただ、新しいコンクールは知名度が高くないために応募者が少なく、受賞を狙いやすいというメリットもあります。

ピアノコンクールに参加する上でのメリットとデメリットについては、次のように考えています。


【メリット】

・演奏レベルが客観的に判断できる
・結果がどうあれ、頑張れば自己肯定感を得られる
・学校生活以外の活動歴に記載できる
・大きなステージで演奏ができる


【デメリット】

・課題曲に時間をとられて基礎が身につかない
・予選があるコンクールでは拘束時間が長くなる
・結果に一喜一憂して音楽を楽しむ余裕がなくなる
・金銭的負担が大きい



当教室ではコンクールへの参加を積極的に勧めてはいません。
デメリットに挙げた上記2つ

・課題曲に時間をとられる
・拘束時間が長い

を問題と考えているからです。
地域性もありますが、当教室にいらっしゃる生徒さんは複数の習い事をしており、学校でも幼稚園でもさまざまな行事が目白押し。年一回の発表会でさえ、かなり予定を調整して開催し、ご家庭にも協力をいただいている状況です。
私自身は何度か子ども向けのコンクールに参加した経験があり、コンクールで得られるものは発表会とはまた違うと理解はしています。
ですが、エムジック音楽教室が掲げる目的は


・楽譜を一人で読みこなせるようになる
・ピアノの基礎的な技術を身につけ、音楽をより深く理解できるようになる

こと。もちろん生徒さんから希望があれば対応しますが、基本をおろそかにしてまでコンクールに時間を割くのは、本末転倒ではないかと思っています。


エムジック音楽教室


 


私の場合は、積極的に生徒を参加させることもなく、またあえて参加させないこともありません。様々なコンクールがあるので、それぞれの利点を調べ、生徒に合いそうな内容のものを紹介しています。

ひとくくりに「こども向け」のコンクールと言っても、いずれ本格的なコンクールへ挑戦するための足がかりとなるようなものと、全員参加賞のような形での賞状がもらえるものがありますので、内容により答えは決まってきます。
内容そのものが今ひとつピンと来ないものは、良いも悪いもなく、単純に「これは子どもの発達などを考慮しているのだろうか」という疑いを持ちます。

そうではなく、こどもたちに「コンクール」を受けさせるということだけで見ると、
<良い点>

 ・はっきりした目標があったほうが頑張れる子には効果大
・普段なかなか借りられないよい舞台、ピアノで弾くチャンス
・賞をもらえるということは、大人が思う以上に子どもにとっては目標がわかりやすい
・コンクールを受けることがなかったら、出会えなかった曲に出会えた(これは私自身の経験です)
・普段より、よりしっかりと仕上げるために局を掘り下げる経験ができる

<よくない点>(悪い、というのはネガティブな表現ですので私は好みません)
・多くのコンクールはある程度以上弾ける子対象になることが多く、スタートが小5、小6だとそもそも、受けられるコンクールなどない
・参加費以外に、例えば普段電子ピアノを自宅に置いている場合はグランドピアノのスタジオを借りたり、別の先生にレッスンを受ける、会場までの交通費や時間など親の負担が大きいため、それをわかっている親でないと言い出せない
・賞を取ることが目的になってしまうと、コンクールから何を学ぶかがわからなくなる
・通常の教本を進めながらコンクール曲をやるのが負担
・「コンクール荒らし」みたいな子が出てくる(いろいろなところで同じ名前を見る)

このようなことが考えられます。

良い悪いではなく、コンクールは「なんのために」受けるのか。
コンクールを通して、指導者として生徒に何を学んで欲しいのかを考えずにむやみに勧めることはおすすめできないというのが私の考えです。

ぴあのすく~るSan's 中塚 三貴子





犬・タイプ

(真面目で親しみやすい先生からの意見)


ピアノコンクールは、生徒さんや生徒の親御さんからの申し出があった時に考えて、出場させている他は、あえて声をかけていません。
どちらかというと、あえて参加させない立場を取っているかもしれません。

まず、コンクールを受けるとなると、同じ曲ばかり何度も何度も弾かせるわけですから、当然、他の教材の進みが遅くなります。

それに、譜読みをする力が養われない様な気がしています。
色々な曲を並行しながら、コンクールの曲も頑張る事が出来れば良いですが、なかなか幼い子達はうまくいきません。

中学生になって、バッハコンクールを受けたいと言ってきて、受けさせて地区予選で受かり、全国大会で弾こうとしている子がいます。
しかし、もう飽きてきて、他のベートーヴェンソナタ等の曲を並行しながら、バッハの曲もレッスンしています。

良い点は、私も受けてきている立場からすると、一つの曲に真剣に取り組む事によって曲の奥深さを知る事が出来ること・・テクニックも向上するし、音楽的に弾こうとする気持ちも強くなってくるという事でしょうか・・。

 


 

 



クマ・タイプ

(母性的、甘えさせてくれそうな先生の立場からの意見)






 


シマウマ・タイプ

(優雅さと優美さをもって指導したいと考える先生の意見)






キリン・タイプ

(のんびりした先生からの意見)



こちらの教室では、将来のことを考えて、より高いところへ伸びたいと思う生徒が、10%未満です。

そんな残りの90%から、こちらが目覚めさせたいと思う生徒も少なく、発表会がせいぜいです。








馬・タイプ

(活動的で、パワーを与えてくれそうな先生からの意見)


家の教室は幼稚園の生徒さんから
コンクールはなるべくお勧めしています。

良い点は
;確実に上手になるということ。
落ちても、受けない生徒さんより
レベルは高くなっています。

人間力を鍛えることが出来ます。
毎日の練習で、頑張る力、集中力、根気強さ、
注意力、忍耐力などが鍛えられます。
これらを鍛えると勉強の仕方がわかるので
学力アップにつながります。

最後に賞を取れば、自信につながり、
何事もチャレンジしようとするお子さんに
なります。

負けを経験する事もまた大事で
世の中の厳しさを知ることになり、
その時は辛くても、立ち直ることを
覚えれば、長い人生において
何かつまずく事があっても
私は大丈夫!とすぐ前を向いて、
歩いていくたくましさを習得できると
考えます。
また、思いやりも生まれます。
負ける事も小さいうちから経験して
おかないと、ずっと何もかも
上手くいくのは親の方は嬉しいですが
お子さん自身の人生を考えると危険です。
人の痛みがわかるのも大事ですから。

親子の絆が強くなるのは間違いなしです。
一緒に頑張った記憶は一生感謝されるでしょう。


悪い点は
お家での練習をやり方を間違えると
子供を追い詰め、親子喧嘩
夫婦喧嘩になってしまい、
ピアノも嫌いになってしまいます。
これに関しては、教師が絶えずチェックして
いい方向に導いてあげないといけません。
教える側の責任、負担はかなりのもの
となります。

コンクールで賞を取るために
ピアノをしているみたいに勘違いが
おこること。
毎年コンクールを受けてしまうと
そうなりがちなので、頑張った
次の年は楽しませるイベントに
参加させ、音楽、ピアノの楽しさを
感じさせるのは大事だと思います。


CHOJI音楽教室






羊・タイプ

(平和的でおとなしめの先生の意見)




ライオン・タイプ

( 権威的、きびしい先生の立場からの意見)





その他・タイプ (その他の考え方とタイプの先生)