【うまく弾けちゃうアドバイス】 メルマガ・バックナンバー 08年3月20日

大人からのピアノ、発表会参加の隠れた効用とは?



■今日のメルマガ執筆者

『 ぴあのすく~るSan’s 』
 [愛知県海部郡]



こんにちは。
『ぴあのすく~るSan’s』の中塚です。


最近は、大人になってからピアノのレッスンをはじめたり、
子どもの頃習っていたピアノのレッスンを再開される方も増えているようですね。


私のところにも、そういった方のお問い合わせがけっこう多いですし、
そのような生徒さんが実際にいらしてます。


じつは、私自身も恩師についてレッスンを受ける身でもあります。
(学校を出たばかりの若い先生などは、こういう方も多いです)



さて、さまざまなお教室では、
「発表会」など人前で演奏をする機会を設けているところが多くあります。


ですが、ピアノ指導者同士の雑談で、
「大人の生徒さんは、なかなか出てくださらない」、
また、ピアノを習っているけれど「発表会には出たくない」という話が、
よく話題になります。


その気持ちは分からないでもないです。

子どもの生徒さんが多いところで出るのは恥ずかしい。
あるいは、緊張するからとか、曲を仕上げるのもやっとだし、などなど…。


それから、「人前では弾きたくない。私は自分だけで弾いて楽しみたい」
とおっしゃる場合もあります。



でも、私は、人前で弾くチャンスがあったら弾くことをおすすめしたい。

それはなぜでしょうか。


発表会に参加することは怖いかもしれませんが、
参加することで、自分のよさや欠けていた部分を客観的に見ることができ、
参加後のモチベーションが上がるからなんです。



人前で弾くということは、自信のあるなしにかかわらず、
レパートリーをある程度踏み込んで仕上げなければなりません。


ふだんのレッスンならそこそこで仕上げといったこともありますが、
発表会などの時は、さらに踏み込んだ表現について考えてもらったり、
暗譜の課題を課すこともあります。
(私は、大人の生徒さんに暗譜の強制はしていません)


そういう作業をすることで、自分の弱点などが明るみに出て、
落胆することもあるかもしれません。


でも苦労した曲って、
けっこう「かわいい」もんですよ。


私も思い出すのは、なかなか仕上がらなくて先生に、
「あなたもう出なくていいから」と言われた曲だったり、
入学試験やコンクールなどでなかなか思うように仕上がらなかった曲だったりします。



実は私を含め先生方も、ふだん指導をメインにしている場合、
人前での演奏の機会は少ないのです。


だから、じつは先生も、本番は緊張します。


それでも講師演奏をされるということは、
自分の勇姿を生徒に見せることで、なにかを得てほしいと。

えぇ、私たちピアノ講師も、そうやって体をはってますとも!
(発表会の準備などは心身ともに大変ですからね)


間違えたっていいじゃありませんか。


止まったって。


私なんて先生だけど、10数年ぶりに出た発表会はボロボロでしたよ。
(エ~!? 先生もそうなんですかぁ、なんて言われちゃいそうですが)


「あの人、大人なのにヘタ~」なんて言われたら…ムカッときますが、
言わせておけばいいんです。


そして、忘れてはいけないことは、
失敗してもいいから参加しつづけること。


緊張感はなくなることはありませんが、慣れます。




うちの生徒さんで、こんな方がいました。


30代の女性で、
子どもの頃ブルグミュラーまでレッスンを受けていて中断。


私の教室では「リターン組」と呼んでいます。


お子さんのピアノレッスン開始と同時にレッスンを再開。
子どもの頃使っていたという「バイエル」は使わず、
橋本晃一さんの「大人のためのピアノ教本 1」から始めました。


ブランクがあるということで、音は読めるけれども指が動かない。
昔やったことを忘れてしまっていることも多い。
けっこうたいへんな状況だったんです。


そんなある日、教室行事として私が開催している「勉強会」を、
外部のスタジオで開くことになったんです。


この勉強会では、
ちょっとした曲を集まった人の前で披露することもあります。


その勉強会へ、参加なさってはどうかと彼女をお誘いしてみたのです。


彼女のお子さんのほうが「お母さん、出ようよ」と、
積極的に誘ってくれたかいもあって、
参加することになったんです。
(ちなみに、お子さんは「出たがり君」なんです)


そのときの曲は簡単なものでしたが、
ご本人は「とても緊張した」と言っておられました。


そういうコメントだったので、

「あぁ、やっぱり大舞台の発表会には、出てくださらないかなぁ・・・」

と、私は心配に。。。


ですが、そのときに発表会のお話を彼女にすると、すぐに、

「勉強会では緊張して演奏が硬かった。発表会では挽回したいです」


こんな、おもいもかけないコメントが!



さてさて、ときは流れ発表会当日の彼女。

ピアノを前にして、椅子の高さを合わせ忘れたり、
演奏もややぎこちないものでしたが・・・

でも、そのあとの彼女は、一味ちがいましたよ!


以前はレッスンで止まったりすると「練習していないので」などの、
い・い・わ・け言葉が多かった。


ところが、発表会後は、
どうやって自分のできていない部分を克服しようか、
という方向に関心が変わってきたんです。


最近は、大人の生徒さんだけの
小さなコンサートをされている先生もいらっしゃいます。

また、大人の方が気軽に参加できる催しなどもたくさんあります。

そういったものに、積極的に参加してみるのも手ですよ。


大きい舞台は自信がないという方は、先生に相談し、
まずは、そういった小さい場からはじめてみましょう。


ピアノの発表という場をうまくつかって、
自分の心におこるちょっとした変化に気づき、楽しんでみてくださいね。


その変化は必ず、ピアノが上手くなることにつながっていきます。

 




『 ぴあのすく~るSan’s 』 [愛知県海部郡]

 




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「ピアノ」「筆」「企画」などマルチな才能を発揮するピアノ講師さんの登場に、こうご期待!




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